「意外と短い」
「そうかあ?」
「西暦でさ、1年とか、キリストがいたころってなんか色々わかってるんだろう?」
「ローマ時代?」
「そう。ほら、こう有史以前ての?恐竜とか縄文土器とかのころって、年表が何万年単位で飛んで。でも西暦登場後は年刻みかなって。てことはやっぱり意外と最近かもなと思う」
「でも1000年後だぞ?人類いないかもよ?」
「かもだけど、でもなあ、いるんじゃないかなあ」
「まあしぶといからなあ。なんだかんだ生きてそうか。たくさん死んでも誰かしらは生き残るんだよな」
「なあ、必ず誰かしら残るんだよ。そこがどんなにつらい場所でも生き残ったら生きるか死ぬか決めなきゃいけない。生きるってのは今、誰かに、いやま、倒れたそいつを人間だと認識してくれる他の人間に見つられたらそのルートにのっちゃうだろう?選ぶも何もなく。でも死ぬのは選ばなきゃな。選ぶのって大変だからなあ」
「まあそりゃそうだ。選ぶってのはいつでも大変だ」
「誰かに決めてほしいよほんと」
「わかるわかる。タイミングも行動も指示があれば頑張って守りますよこっちは」
「なあ」
「指示されりゃ脳直で動くようになってるからなあ。おまえも?」
「うちんとこは学校がそう言う教育でね」
「へえ!さいあく!」
「学校でも人が死ぬんんだよな。ほら、そういう教育だから余計。そんでも生き残っちゃうわけよ」
「そんでも生き残ったようなのばっかりだからこんなことになるのかね」
「かもねえ。最近誰か見た?」
「見た見た。こないだ1日かけて北に行っただろ?そんときに、ほら、脛の骨」
「の、まるいとこ」
「まるいとこ」
「膝かな?」
「そう〜たぶん…あれ?肘か?いや膝でいいのか。なんかもうよくわかんねえな。砂に削られてさ、つるつるなの」
「お、ほんとだ」
「でもこれ食えねえんだよなあ」
「砕いで飲めば?えーっとカリウムじゃないか、か、か、カルピスじゃなくて、か、カルカン、カル…カルなんとか。」
「カルパス!」
「それ駄菓子だろ」
「カルパスとカルカンとカルピスあったらどれにする?」
「えーカ…ルピすかな。パサパサしてんの嫌だし」
「あー水か。水ねえ」
「探す?」
「うーん」
「俺は探そっかな……」
「生き延びちまうよ〜」
「生き延びてくれよ〜」
「じゃあ俺はネズミでもさがそう。幸いまだ人間には見えないからな、殺して食おうな?」
「食うけど。俺はときどきネズミが人間っていうかこっち側に見えるよ。水とタンパク質と塩分が必要で、頭があって手足があって毛が生えてて内臓があって酸素が必要で、も、全然、にんげん」
「はは、あーまあーなーそりゃ砂より人間味があるかな」
「なー」
「食うけど」
「そうなんだよな、ちょっと仲間っぽくないと食えないんだよななんでかね。あーあ、食うけど。まあいいや、水ね、水。掘るかな」
「土あるとこあったか?」
「あるある、ちょっと歩くけど。うん、あるよ。行ってこうよっと」
「はーい行ってらっしゃい〜気をつけて〜」
「そっちも気をつけてな〜」
これでもう会えないかもなあなんていつも思っている1000年後。
2/4/2026, 6:41:55 AM