crew10

Open App

雨音に包まれて、いつか見た
運河を思い出していた
そこには、まだ肌寒い空気があって
自由に飛び交う学生の声が飛び交っていた
私は、時間が止まったように見えたけれど
周りは、そうでもなかった様だった。

ジャケットに、雪の結晶がまとわりつく
手紙のような、その結晶は
綺麗に、真っ直ぐ僕を見つめた

平均台を歩くかのように、運河をなぞり
二人で、記念に硝子の醤油差しを買った
君は、半袖でみんなを驚かせた

その夢は、永遠に続くかのように思えた
その度、自分の心臓の弱さを知った

儚い、その夢は・・・と、
ふと、我に返ったときには
いつの間にか雨音は消え、
夜空に星が散らばっていた

まるで掴み取れるような星空は
綺麗に雨音を消し
平然としている

瞼を閉じると、君が僕の体を指でなぞった
その数秒後
僕の心臓は止まった。
あれから深い眠りについた僕らは
その現実を知る度に
雨音のように涙を流す
そっと、他人で泣くようになった

またね、そう言って
また心臓が、動き始めた

6/11/2025, 12:04:34 PM