雨音に包まれて、いつか見た
運河を思い出していた
そこには、まだ肌寒い空気があって
自由に飛び交う学生の声が飛び交っていた
私は、時間が止まったように見えたけれど
周りは、そうでもなかった様だった。
ジャケットに、雪の結晶がまとわりつく
手紙のような、その結晶は
綺麗に、真っ直ぐ僕を見つめた
平均台を歩くかのように、運河をなぞり
二人で、記念に硝子の醤油差しを買った
君は、半袖でみんなを驚かせた
その夢は、永遠に続くかのように思えた
その度、自分の心臓の弱さを知った
儚い、その夢は・・・と、
ふと、我に返ったときには
いつの間にか雨音は消え、
夜空に星が散らばっていた
まるで掴み取れるような星空は
綺麗に雨音を消し
平然としている
瞼を閉じると、君が僕の体を指でなぞった
その数秒後
僕の心臓は止まった。
あれから深い眠りについた僕らは
その現実を知る度に
雨音のように涙を流す
そっと、他人で泣くようになった
またね、そう言って
また心臓が、動き始めた
6/11/2025, 12:04:34 PM