「誰かしら?」
ここ数日、毎日帰り道に誰かの気配を感じる。
振り返っても誰も居ないんだけど、何だか誰かに見られている気がする。
早い時間ならいいけど、少し遅い時間になると、怖いし不安だし、つい駆け出してしまう。
そして、走り出すとその気配はなくなる。
誰かいるの?
もし居るとしてら、誰なの?
数日もそんな不安を抱えながら過ごしていると、もうそんな姿の見えない者に驚かされるのが嫌になって。
意を決して、帰り道のいつも気配を感じる辺りに、帰宅時間前から張り込む事にした。
もし誰かが居るのなら、私が帰る時間より早くからこの辺に居るのだらうから、誰か見届けてやろう、と思った。
で、その辺りを見渡せるカフェの2階から、そっとその辺りを見ていた。
すると。
私以外にも気配を感じている人が居るのか、時々振り返ってキョロキョロしている人が居る。
でも、その人以外に人影は見えない。
もしかして、私はあまり信じてないし、怖いけど、この世の者じゃない?とかも考えたりして、余計に怖くなってきた。
それで、いつもの帰宅時間になっても店を出られなかった。
……そして、とうとう発見した!!
可愛らしい親猫が、人に見られない様に、こっそりと子猫を咥えて移動してた。
人に見られると危害を加えられるかも、との不安で、人に見つからない様に、安全な我が家を探して何回か引っ越しもしてたんだろうな。
だから、何回も気配を感じたし、見てると子猫は4匹いるから、毎回4回は移動が必要。
私はそのまま暫く親子の引っ越しを眺めて。
それからが大変だった。
人馴れしてない子達を、怯えさせないように、でもご飯は食べてくれるように。
時間をかけて、信頼関係を築いて。
近所の目もあるし、保健所とかに捕獲される前に何とかしないと。
……そして。
やっと今は無事家の子達になりました。
あの日、君達に出会えて良かったよ。
3/2/2025, 10:29:45 AM