俺の身長は176センチなので決して小柄ではない。
その俺よりも10センチ以上背の高いこの男。
肩幅もあるし、胸板も分厚いし、手もめちゃくちゃでかい。
外食した時に出されるコーヒーカップも、こいつが持つとデミタスカップのようになるのはいつ見ても笑う。
一緒に歩いていると大抵の老若男女がこいつに視線を送る。
この男、ガタイがいいだけではなくて顔もとんでもなくいいのだ。
それからさっきも言ったけれど、こいつの手はマジででかい。
しかも、だ。こいつの手はとても俺好みなのだ。どこがどう好みかは割愛する。
身体のパーツが全部デカいから、舌もでかくて、ゆっくり話さんと舌巻いてまうんよなぁ。
そんなことを言いながら、ゆったりと話す、耳触りのいい声。
極め付けはこの目。
目鼻立ちのはっきりしている、強い目をしているのに、いつも柔らかい印象が強い。
その目で見つめられながら強請られれば、大抵のことは言うことを聞いてやりたくなる。
「そんなに見つめてどしたん?」
おっと、無意識にじっと見つめてしまっていたようだ。
「そんな目で見つめられたら何でも言うこと聞いてあげたくなるんやけど?」
…俺の目にもそんな力があったとは。
【お題:見つめられると】
3/28/2024, 11:38:50 AM