村人ABCが世界を救うまで

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遥か昔から交通の要所であったダンツィヒ。山間の街で3つの街道を城壁要塞でまとめ上げる。古くからの豪商が組織を立ち上げ今やどの国も手が出せない山岳の自由都市ダンツィヒと名高い。
たくさんの種族と民族が、他国の貴重な品々の売買のために集う。
「あそこまでいけばお別れだね」
同行人の狩人の女性が囁くように呟いた。
子供達3人と、偶然出会った2人旅の冒険者の合計5人は、草木の生えない小高い丘でほんの小休止をしていた。
「君たちだけを残すのも忍びないんだけど、こちらも用事があってね」
「いえ、そんな!」
「ゼアルも心配でしょ」
ミレーヌが胸の前でぶんぶんと手を振るけど、狩人の2人は会話を続ける。
「一刻も早く、土地の有力者…。そうだな、まずはあの街の人間に頼めばうまくいくかもしれん」
「そうよね。ここの地域のことは、季節の明けに、夏の嵐、秋の実りに積雪量。すべて把握していると思うし…君たちの村の惨事も商人たちによって伝わっていると思うわ」
「私たち…その。何もないのに。辺境の村人が取り次いでもらえるんでしょうか」
改めてミレーヌが戸惑いを見せた。2人の大人もおやおやと見守ってくれる。
「緊急時に、なにももないよ」
よく、頑張ったね。
ミレーヌはうつむいて、涙を今更ながらこぼし出した。側に居たヴィルは、泣き虫とからかってからいつものように肩を寄せて、カノンは誰のマネなのかよしよしと頭を撫でる。憔悴しきっていた。でもそんなことは考えていられない。
自分たちは運が良かっただけ。これからは自分たちの足で立ち上がらければならないんだ。

2/28/2026, 11:18:17 AM