dede

Open App

家に帰れば必ず君は出迎えてくれる。

君はいつも澄ましたような顔をして、あたかも「まっていませんでしたよ」なんて言いたげに欠伸をする。
君の頭を撫でれば、尻尾は更に動きを大きくする。

僕が家の中に足を踏み入ると君は離れていくけれど、代わりにお気に入りのボールを口にくわえて待ち伏せをする。
僕が君に近付けば、思ったよりも素直にそれを口から離して、瞳を輝かせて上目遣いで見つめてくる。

職場で良い事があって気分がいい日も、
全てに疲れきって家に帰る夜も、
君は毎日のように僕のそばに居た。

極偶にあるんだ。君との別れを想像して気分が落ち込む日が。
そんな時も、君は僕の隣にのそのそやってきて、僕の心を見透かしたように顔を舐めてくる。
「ずっとそばにいるよ」って言ってくれているのかな。
なんて思ってしまう。


君が僕の幸福の一部になっているように、
僕も君の幸福の一部になれているのだろうか?


今もすぐ隣で無防備に眠っている君。

僕はまだ、君の暖かな優しさに甘えていてもいいですか?



“愛情”

11/27/2023, 11:15:33 AM