幸太郎

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あるところに
読書好きの少年がおりました。
色々な本を読んでいる少年なのですが、
どうしても理解できないことがありました。
そこで、少年は本を持って、
お父さんに質問しました。
「どうして、この人達は争っているの?」
お父さんは少年の頭を撫でながら
自分の子が心優しく育っていることに
喜びながら答えました。
「お金を奪いあってるんだよ」
「どうしてお金なんか奪いたいの?」
「お金があればたいていのことは思い通りになるからね」
少年は「ふーん」と言ってから、
次は他の本を父の前で開いて見せました。
「ここ!印刷ミスって言うんでしょ?見つけたんだ」
少年の指先には
「3億円を奪い合って命を落とす」
と書かれています。
少年は指先をクルクル回しました。
そこには「3億円」の文字。
お父さんは笑いました。
「それは印刷ミスではないよ」
「えーっ!これっぽっちで?
だって…、僕のおこづかいより少ないよ?
こんなことで人は争うの?」
少年は世界一のお金持ちの子供だったのです。
少年は月に100億円を親からおこづかいとしてもらっていました。
「残念ながら、世の中にはその程度の人間もいるということだね」
お父さんはため息をついて、
1000億円のシャンパンを飲みながら答えました。

オレは自室の狭い部屋で
このノンフィクションの本を読みながら、
怒りに震えた。

6/4/2024, 11:47:15 PM