「断る。」男は、平然と述べる。「は?」「何を言っている!」「馬鹿げたことを!」「現状を理解しているのか!」同族の者たちの現実的な言葉を尻目に、男はこの場を後にする。男が空を見上げると、月夜だった。その月夜は……、まるで……無謀と思われた判断が、英断であったことを示すように……それはそれは美しく、晴れ渡っていた月夜であった。
3/7/2024, 12:34:19 PM