【もしも過去へと行けるなら】
もしも過去へと行けるなら
私はいつに戻りたいだろう
たくさんの分岐点があって
今があるけれど
戻りたいと考えることは
なんだか今の自分を否定するようで
少し憚られる
それに
どうせ過去へは戻れないことも
ちゃんとわかっていて
現実的な思考に戻ってしまうから
深く考えることが難しい
けれど
私は、私は
きっと過去へは戻りたくないのだと思う
誰ひとりこぼさずに幸せだった
そんな瞬間は覚えていないからだ
幼い私は
誰かの苦労の上で
何も知らずに、ただ無頓着に
笑っていただけだと
大人になってようやく気づいた
あの頃の大人たちに
もっと笑ってほしいだけなんだと
私の中の子どもの自分が
言っているような気がする
だからきっと
過去には戻りたくない
大人になった今も
誰ひとりこぼさず幸せにすることは
できないと知っている
けれど、もしかしたらこの先
誰ひとりこぼさずハッピーな瞬間が
訪れるかもしれない
未来に戻るよりも
今とこれからに賭けていたいのかもしれない
できるなら、
もう会えないあの人たちが
空の上で微笑み合えるような
そんな自分で生きていたい
そう、私は思う
7/24/2025, 11:56:45 AM