海喑

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日常ってなんだろうね。
私は休み時間、君に聞いた。
「うーん、なんだろ日常って人それぞれだしな。断言できるって訳じゃないしなぁ
でも、俺の日常って言えばこう、なんていうかその……」
「その?」ニヤつきつつも聞いてみる。赤面した顔を見るのは久々だ。
「……お前と…一緒にいる時…」
言った瞬間予鈴が鳴る。
「海暗のバカ〜!!!!」と言いながら教室へ走っていった。。
なぁんだ。
私はそれを目で追いながら私にとっての日常っていうのは案外この事なのかもしれないな。
と思いながら
「デレデレになってんの。かーわいい。」
と呟くのだった。
それを見ていた友達、あろは
「お前、先輩とどんな関係なんだよ。」
と苦笑しつつ
「次の授業始まるからはよ来い」
私のワイシャツの襟を勢いよく掴み、まるで親猫が子猫を移動させるような感じで
私を教室へと移動させるのだった。
その間
「あろってさ、日常ってなんだと思う?」
と聞いた。こっちを振り返らずに返事をする
「お前がこうやっている生活のことだと思うそれと推しが尊いこと」
「なるほどなぁ…」
と納得していると
キーンコーンカーンコーン…とチャイムが鳴る
「「ヤッベ…」」
と言ったと思ったらあろは私の襟から手を離し、全力疾走して行った。
私はその拍子ですてんと転ぶ。
オワタ…と思いながらも
「まぁいっか。これも日常の1ピースだ。
言い訳どーっすっかな…」
と笑いながら立ち上がり、教室へ向かうのだった。

6/23/2023, 7:25:32 AM