うみうし

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ふるえる両手に、かじかむ心。

あがる息を必死に整えている最中、彼の顔が思い浮かんだ。手紙を受けとった彼は、なにか珍しいものでも見たような表情をしていた気がする。それもそうだ。私が手紙を出すなんて、ありえない。そんなことするはずじゃなかったのに。

これで最後なのだと思うと、いてもたってもいられなかった。
返事はいらないから、ただ私の思いの丈をぶつけたい。私がいかに彼を大切に思っていて、尊敬に値する存在であるかを説きたい。ただそれだけの紙きれだった。

どうやったって今日が終わり明日が来るように、すべての日々にも終わりがある。
大きく息を吸って、ゆっくりと吐いた。気持ちに終わりがないと知っているから、あの日常がもう少しだけ続けばいいのにな、と思う。願っても意味はないけれど、それでも願わずにはいられなかった。



終わらせないで.

11/29/2022, 1:07:21 AM