夢野まち

Open App

暗がりに 潜むその黒は
形が定まらぬ 恐怖の具現

見つめれば 見つめるほど
色は 濃く強く主張する

答えなき それ
哀れな それ

それは 壁に染み付いた囁き
枕元に立つ 誰かの吐息

探しても そこには誰もいないのに
視線だけは やけに絡みつく

忘れ去られた 古井戸の底
覗けば 引きずり込まれる底の底

一歩 踏み出せば二度とは
戻れない世界が待っている

それでも ここまで落ちたいと
願うのだろうか

答えは まだ
心にしまったまま
だけど
答えは もう
心の中では決まってはいる

9/17/2025, 12:37:51 AM