何もない世界に、青年が一人
彼の名はアンソニー
彼は以前、暗い森に迷い込んだことがある
そこで出会った少年のことを思い出していた
「…彼は、兄弟に会おうとしてたのかな?
家族がいるって、どんな感じなんだろう
僕にも家族は居たのかな」
そう考えていたアンソニーは気がつくと再び森の中に居た
「もう一度、あの少年を探してみようかな
それから、家族について聞いてみよう」
暗い森の中
「それって…」
『貴方はもう外には出られないでしょうね。
なぜなら、私たちと同じように異形化が進んでいるので。』
「じゃあ、僕より先にここに来ていた兄さんは…」
『エェ、もう手遅れデス』
「…それでも、先に進むしかないんだよね」
『ヲヤ、怖がら無ぃノですね』
「もう君のことは見慣れたし、元に戻れないのなら怖がったところで意味はないんでしょ?
君の同類になるわけだから」
『ソレモそうでスネ』
「そういえば、名前を言ってなかったね
僕の名前はテトラ。君の名前は?」
『私ノことはジーニーと呼んでください』
「それじゃあ、ジーニー」
『はい、ナんでショウ』
「君はいつからこの森に住んでるの?
見た感じ、人間っぽいような気がするんだけど」
『…』
「話したくないんだね、分かった
もうこの話はしないようにするよ」
『あリがとうゴザイまス…
!!』
「どうしたの?」
『急二気味の悪い気配が現れマシた
ソの気配は例の探している気配ト近い所に居ます』
「危険そう?」
『ワカリマセン』
「とにかく急ごう」
2人は森の奥へ進んでいった
10/8/2025, 1:13:25 PM