水無月はじめ

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『何もいらない』

何も見たくない
聞きたくない
書きたくもない

そう思い
ペンも置いた

なのに僕は今
月を見ながら
頭の中で歌を詠んでいる

誰も聞いていない
大したものでもない
小さな小さな言葉が零れる

空中を指でなぞる
今ペンは持っていない
これは覚えておかねばならない

そうした思いが去来した

早々に家に帰ろう

何もいらないと言った僕に
サヨナラを
ペンを走らせているであろう
明日の僕に挨拶を

月に微笑み
踵を返す

明日の朝は冷え込みそうだ

4/20/2026, 11:04:17 AM