冬野蒼空

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朝、目を覚ますと普段は聞こえないはずの慌ただしい音が聞こえる。眠い目を擦りながらも、リビングに向かうと、夫と幼い娘がこっそりと朝ごはんをつくっていた。娘は私に気がつくと

「ママ、起きちゃだめなのに!!」

と怒っていた。夫は必死に娘を宥めるがツンツンしている。どうやらサプライズで朝ごはんをつくる予定だったみたいだ。

「ママは寝てて!!」

と、寝室に誘導され仕方がなくベッドで大人しくしていると色々な声や音が聞こえてくる。ちっちゃな悲鳴と卵を割る音。夫を呼ぶ声や少し残念そうな声など。すごく気になるがまたリビングに行けば怒られてしまう。もどかしい気持ちを抑えながらしばらくすると娘に呼ばれる。

「ママ来ていいよ!」

リビングの食卓を見れば味噌汁や少し焦げている卵焼き、焼き魚などが置かれている。

「すごい!とっても美味しそう!」

娘が作ったであろう少し焦げ付いた卵焼きはふだんの卵焼きよりも美味しく感じた。

「ん〜美味しい!ありがとね。」

そう褒めると娘は照れながら可愛い笑顔を見せてくれる。夫と娘が一緒に作った卵焼きは朝から幸せな時間をもたらしてくれた。

#耳を澄ますと

5/4/2026, 4:15:58 PM