冬山210

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『逆光』

眩しくて
眩しくて目が開けられないから
そっと顔を逸らしたんだ。

君が背負う
その幾千ものライトが
その幾万もの視線が
怖くて。

見て見ぬフリをしていれば
君はずっと変わらない君で。
聞こえぬフリをしていれば
僕はずっと、僕であれた。

手を引いて走ってる先に
その先に光があると
信じてやまなかった。

振り返っちゃいけない。
本当は闇に向かってる、
なんて
口が裂けても言えない。
君を堕としたいなんて。


変わらぬ君は何も変わってなどいない。
変わり果てたのは君の周囲と
僕の心だ。

1/24/2024, 11:24:28 PM