シンビジウム

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【ぬるい炭酸と無口な君】

カシュッと気持ちのよい音がして、隣の彼の肩が揺れる。

「君も、飲む?」

たまたま持っていたもう一本を差し出すと、

「……ありがとう」

と、短い感謝の言葉が返ってきた。

「私、これめちゃくちゃ好きなんだー」

私ばかり話している気がする。
相槌は打ってくれないけれど、ときどきにこにこと笑ってくれる。

「あつい……」

わずかな静寂に彼の声が溶ける。

「暑いね」

8/4/2025, 9:59:00 AM