日樫

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目が覚めると

目が覚めると、愛しいあの子の顔が目の前にあった。
いつの間にベッドに入ってきたのだろう。
珍しくぐっすり眠っているようで、私が身動きしても起きる様子もない。

大きな目は閉じられて、きれいな線が描かれている。小さく見える口は実は大きくて、あくびをしたときに喉の奥まで見えるのだ。

「この距離で見ても可愛いいとか奇跡」

耐えきれずに頭を撫でると、気づかれたようだ。
ゴロゴロと喉を鳴らし、にゃあと一声鳴くと、もぞもぞと布団から出ていく。

「あー、ご飯ですね、はいはい」

ちゃっかりフードボウルの前に座って上目遣いの子に勝てるはずもない。
目覚まし時計がなるにはまだ早いけれど、私は猫フードを用意するのだった。

7/11/2023, 8:29:38 AM