"絆"。2011年の今年の漢字に選ばれ、「人と人との強いつながり」という意味で広く使われる漢字である。
しかし調べてみると、"絆"という漢字は、古くは馬や犬、鷹などの家畜を逃げないように立木などにつないでおくための「綱」や「縄」のことであり、元々は動物を束縛する道具を意味していたものが、転じて人間関係における「離れがたい結びつき」や「逃れられない縁」を指すようになったという。
つまり、元々は束縛の意味を持つ、ネガティヴな言葉なのである。
誤用が定着し、本来の意味とは異なる用法で広まることは珍しいことではない。現在で使われているポジティヴな意味の"絆"は、"結びつき"という意味だけが一人歩きした結果なのかもしれない。或いは、その「束縛じみた縁」を「非常に良いもの」として見出した業の深い人間の仕業か。
今後とも誤用や人間の業によって、言葉の意味が葉脈のように広がっていくのかもしれない。
3/6/2026, 11:48:18 AM