腐女子

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お題「幸せとは」


深夜車通りの少ない中、俺は震える手でハンドルを握ったままあてもなく車を走らせる。
現場から少しでも遠ざかるために。

「・・・ケン君、い、今はねたのって人だったよね?」
「戻った方が良くない、、?か、確認しないといけないし、生きてたら救急車呼ばないと」

『うるせぇっ、俺は酒を飲んでる、飲酒で人身事故なんてムショ行き決定したようなもんだっ』
ミクに怒鳴るように言う。

無言で車を1時間ほど走らせ、とりあえず人が来なさそうな田んぼ道に車を停めた。
季節は1月の真夜中、俺たち以外誰もいないかように人の気配がない。

助手席のミクは青い顔をしたまま無言だ。

『そうだミク!お前が運転していた事にしよう!お前なら酒も飲んでないし』

「えっ!嫌だよっ、ひ、人を殺したかもしれないんだよ!しかもその場から逃げてるし」

(くそ、、なんでこんな事に。ダチのアパートで楽しく飲んで後はミクの部屋でゆっくり過ごそうと思ってたのに!)

(日常がこんな一瞬で崩れ去るのかよ!)

俺は日々の日常がいかに幸せだったかを思い知らされた。

1/5/2025, 3:42:57 AM