都会の雪みたいな人だった
君と初めて会ったとき、そう思ったのを覚えている
肌が白いとか、そういう話ではない
触れたら溶けてしまうような儚さ、危うさを感じた
付き合ってからも、触れるのが怖かった
溶けてしまうかもしれないから
だから僕らは手を繋ぐことすらできなかった
でも、それでいいと思った
「わたし、そろそろ死のうと思うんだ」
雪が降る学校で、君は笑ってそう言った
わかってた。あのとき感じた危うさは、きっとこういうことだったんだろう
だって、雪は最後には溶けてなくなるんだから
僕は君を止められなかった
止めるということは触れることだから
君の傷だらけの手を掴むということだから
最後まで、怖かったんだ
君は雪の上で死んでいる
雪の上でも飛び降りたら死ぬんだな、なんて思った
白と赤のコントラストがなんだか神秘的で、美しいとすら感じた
君は溶けてなくならない
最初からわかってた
「だって君は雪なんかじゃないんだから」
君の手を握って、僕はそう言った
雪
1/7/2026, 11:42:20 AM