ある日、近所の公園に行くと、木々がいっせいに色付いていた。昨日まではそうでもなかったはずなのに、今朝の冷え込のせいだろうか。
黄や茶色の葉に変わっている。中でも、赤く大きな葉をつけた木が目をひいた。そこに、ちょうど日差しがあたっていて、ひときわ鮮やかに見えた。その木の近くのベンチに腰掛ける。
日差しをうけ、赤い葉が透けて見えていた。まるで燃えるように鮮やかで、木漏れ日が赤色を通ってくる。地面には、黄色い乾いた葉がパラパラと落ちていた。そして、木や葉の影が風でころころと動き心地よいリズムを作っている。
ぼんやり見ていると、だんだん黄、黒、赤と木漏れ日が混じりあってきた。その跡はちらちらと細かく動いては、消えていく。それを飽きずにずっと追い続けていた。
「木漏れ日の跡」
11/16/2025, 6:47:31 AM