ふとした瞬間、僕は何かをしたくなる。
公園に行って、シャボン玉を吹いてみたくなった。
誰かに自分らしさを見て欲しくなった。
そんなことは、僕にとってはもう良くあることだ。
ふとした瞬間、自分自身が嫌いになる。
布団を方にかける時、
暗い夜道を歩く時、
イヤホンがリズムを奏でている時。
自分の悪い所に気づいてしまう。
しばらくすれば、フッと忘れてしまうけれど、
その瞬間だけは自分自身が嫌いになる。
ふとした瞬間、自分について問い始める。
陽の光に挨拶をしている時、
小さなスーツに袖を通す時、
活字の世界に入り込んでいる時。
自分は何をやっているのか分からなくなる。
自分が存在しているかすらも不安になってくる。
ほんの少しすれば、気にならなくなるけれど、
その瞬間だけは自分自身が曖昧になる。
ふとした瞬間、僕は楽しくなる。
悲しくなる。
腹が立ってくる。
僕は、幾つものふとした瞬間で出来ている。
僕の頭は気まぐれだ。
嫌な事を思い出させては、楽しい未来を作り始める。
何をやろうと思い立てば、違う事をやれと言い出す。
ふとした瞬間、僕の頭は何かを思いつく。
嫌だった教室を、想像できない未来の僕を。
楽しかった公園を、明日へのワクワクを。
僕が今やりたいこと。
そして、やらなきゃいけないこと。
きっと、やれれば良かったこと。
絶対に、やっちゃいけなかったこと。
この文章だって、僕の頭の言う通りに書き進めている。
ふとした瞬間の小さな言葉を書き連ねているだけだ。
僕の頭は、考えているようで何も考えていないらしい。
-けれど、それが僕らしいと信じている。
ふとした瞬間に、思いついては消えていく。
昔夢中になった不思議なシャボン玉のように、次から次へと
「ふとした瞬間」が浮かんでは消えていく。
ふとした瞬間、その小さい思考が、その一瞬の感情が。
僕らしさを作り出している。
僕の人生を作り上げている。
「ふとした瞬間」。
それは紙1枚程度の薄さだ。
けれど、それが幾多にも重なれば、1つの柱となる。
僕の頭は、小さな泡を吹き続けている。
飛び出しては溶けて、溶けては飛び出して。
生まれた時も、多分死ぬ時でさえも僕は飽きることなくシャボン玉を吹き続けている。
次はどんなふとした瞬間が来るのかが楽しみになりながら。
そんなことを思う、あの日の公園からの帰り道のふとした瞬間。
4/27/2025, 10:47:37 AM