霧夜

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あいつへの気持ちが、今でも心の中にこびり付いて、離れない。

一方的な片想いをして、気が付いたらずっと目で追っていて。

...でも俺は男で、年上で、先輩で。

あいつは何に関しても天才で、

俺のような「価値のない人間」が近くに居ていい存在では無い。ましてや付き合うなんてもってのほか。


早く忘れたかった。

すぐに忘れられると思っていた。

「ッ...!!...むり...だ、...いまさら...忘れるなんてッ、...」

もう無理だった、

忘れようと思った時には、もう遅かった。

忘れようとすればする程、あいつへの好きが溢れて、溢れ出ていって。


あぁ。

何でこんな感情、持ってしまったのだろうか。

#忘れたくても忘れられない
92作目

10/17/2023, 10:58:45 AM