おもち

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夜、怖い映画を見た。そのときは友達と居て、あんまり怖くなかったんだけど、怖くなってきた。静まっている家の中で1人の私。かちこちとなる時計の針。
時計の針の音が私の恐怖心をくすぐって怖くする。こわいから、スマホを見る気にもなれないし、起き上がって、何かをするわけじゃない。けど、このままだと、時計の音が怖くて眠れない。スマホを見ると時刻は0時24分。もう真夜中だ。友達がいると安心する。カチカチする時計の針の音がしつこい。もしかしたら、時計の音じゃなくて、見えない何かが言ってるのかもしれないと、考えてしまう。目を瞑る。そうすると、怖い映画が蘇って怖くなる。何も考えないで、目を瞑る。そうすると、安心して眠れた。
翌日、わたしは、冷たくもなくて、温かくもない枕に頭を乗せ、布団をかぶって起きた。布団の中は暗くて、息ぐるしい。そうしていても、朝、無言のわたしに朝だよ…と話しかけるように時計の針の音が鳴る。
布団から顔を出すと、冬の寒い冷気が顔を襲う。
つんと鼻が冷たくなる。顔を横にすると、真新しい眼鏡があって、メガネをかけようとメガネに手を触れると、とても冷たい。氷ほどではないけどとても冷たい。無言の私は、耳でずっと、時計の針の音を聴き、時計の針を動くのを私は見ている。朝起きて誰も居ないリビングで朝食を食べる時も、調子が良くないので、テレビをつけない。そうすると、静かな部屋のなかで、時計がカチカチなっている。そうやって、無言の私は無意識に、時計の針の音を聞いて、時計の針を見ている

2/6/2024, 1:41:39 PM