悠明<ハルアキ>

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私と兄だけ。何も喋らず、お互いを見つめ合う。
遠くからみれば親がいなくてかわいそうかもしれない
寂しそうかもしれない。
でもそれは“その人”の思ったただの感想。私たちの気持ちではない。
私は世間からどんな風に思われても言われても私のことを信じてくれる、助けてくれる兄が好き。
兄はどう思ってるか分からない。分かりたくもない。
いつか見捨てられる時が来るだろうか、何度も考える。でも最後は同じ考えに行き着く。
『そんなときは来ない』と。
兄も私のような自分に頼ってくれる存在が必要。
もし、私の役割を奪うような奴がいるなら笑顔で潰して回ろう。それはもうとびっきりの笑顔で!
もしも、兄が私から離れていってしまったら。
どんな手を使ってもいい。弱みを握っても、人を殺しても自分が死んでも。なんでもいい。
もしもが現実にならないように私の存在をじっくり、ゆっくり植え付けていく。私以外のことが考えられなくなるくらいに。
最後に兄の耳元でこう囁く。

『忘れてないよね?あの日のこと』

「あ、あはは…うん」
その緊張で歪んだ顔はいつ見ても可愛い。
『フフッ!ずっと、私の側にいてね。お兄ちゃん♡』
二人ぼっちのこの家の中に甲高い笑い声が響きわたった。

お題:二人ぼっち

3/22/2026, 6:26:37 AM