いす

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諦めてよ。諦めて。
この大空を覆えるほどの雨雲を待つ時間は私にはないの。
青く。どこまでも青く。
間違い続けて生きてきた。この大空の青に怯えるだけの人生だった。片隅なんてどこにもなかった。恥晒し、履き違えて、無様に踊り続けた。正すこともできない。正さなくても良い?間違いだらけの愛にそっと触れたのはあなただけだった。正確には、そっと触れてもらえたと私が気づけたのはあなただけだった。今までにもこうして触れられたことがあったのかもしれない、なかったのかもしれない。
怒る声が。悲しみの声が。
聴こえる。ちゃんと聴こえるから諦めて。あなたの声は私にちゃんと聴こえるから諦めて。雨が降れば、あるいは私がこの青をただしく愛せたら、そのときはまた私と恥晒しのダンスを踊ってよ。

12/21/2023, 6:24:46 PM