夏が終わるのが遅い土地で暮らしてる。10月でも11月でもどこかジワジワと空気を焼くような気配に飼われている土地である。あなたを焼く今日も確かにそうなのに。喪服は日を吸収して鈍く茹っている。見上げると空だけが高くて、うろこ雲が整然と並んでいて、あの辺りはどれほどつめたい空気なんだろう。空の温度と、地上の温度と、私の体温と、焼かれたあなたの体がちぐはぐに、それでもあのうろこ雲のように整然と行進してゆく。
10/18/2023, 10:14:05 AM