ハクメイ

Open App

そこは白い部屋だった。
明かりもないのに明るくて、どこまで奥が、横が広がっているのかわからなかった。
目が痛くなるほどの白、白、白。
そこで目覚めたのは、灰色の髪を長く束ねた男だった。
ネイビーブルーの目が、困惑の形を作りだす。」
「あ、あれ。なんでこんなとこに。」

戸惑いをかき消すように、うるさい音が聞こえてきた。
それは、例える意味がないほど、わかりやすく、とても嫌な音だった。
目の前に、津波のように襲いかかってくる何かが、迫ってきた。
それは"虫の大群"だった
羽音を立て、軍隊のように整列し、猛スピードで迫ってくる。
「はぁ?は、は、うわぁ!?!?」
情けない声を上げ、逃げようと走り出す。
しかし、そんな努力は虚しく消え去った。
虫の大群に呑まれ、服や、花や、口の中に入り込む。
嗚咽をしようにも出来ず、無我夢中に手を振り回す。
いつのまにか手に持っていた剣で、虫達を切り刻む。
黒い虫と、赤い鮮血が混じり合った。

一体、どれだけの時間が経ったのだろうか。
「はぁ…はぁ…はぁ」
男が息を荒く、呼吸をする。
「観念しろ!!」
若い男性の声が聞こえた。
男が視線を上げると、そこは白い部屋では無かった。
交差点のような場所で、目の前に天使が複数人立っている。
彼らはボロボロで、険しい顔をしている。
一際目立ち、堂々とした、6枚の翼を持った天使が前に出た。
「我が名は熾天使、ミカエル。観念しろ、犯罪者め。」
これが夢だったらいいのに。と、強く思ってしまった。

お題『こんな夢を見た』×『虫』

1/23/2026, 12:38:31 PM