光合成

Open App

『絆』

貴方はみんなに優しい人でした。
笑ったときにできるえくぼと涙ボクロが魅力的な人でした。
小学生の時に出会って、中学高校時代を共にし、大学生でも一緒に飲み明かした僕らは、親友と言うには物足りない程の仲の良さでした。

これは僕の懺悔です。

小学生5年生の時に転校して、上手く馴染めなかった時に声をかけてくれたのが貴方でした。

中学の部活で怪我に苦しんだとき、リハビリを共に乗り越えてくれたのは貴方でした。

高校3年生で大学受験に精神を病んだときも、深夜に抜け出して一緒に星を見に連れ出してくれたのも貴方でした。

大学で初めてできた恋人に浮気されて振られたときに、免許取り立ての車で海に連れて行ってくれるような貴方でした。

全て、すべて、僕の全てに貴方がいました。
ずっとずっと、本当にずっと、貴方は僕の隣にいました。
本当は、本当は、本当に僕は貴方が好きでした。
叶わないと分かっていたから、隠して、握って、潰して、押し込めていたのです。

僕たちは親友でした。
でも、親友じゃ足りませんでした。
僕が愛したせいで、僕のせいで、全て僕のせいで、貴方は壊れてしまいました。
もうどこにもいない貴方。もうどこにもない絆。
深く深く、どこまでも深く繋がっていたはずの、僕たちの絆はいつしかほつれて、解けて、ちぎれてしまっていたみたいです。
この絆の糸は、赤い糸じゃなかったみたいです。

それでも、貴方の血で染まったこの糸を僕は勘違いしたいのです。
どうか、どうかどうか、許してください。

2026.03.06
56

3/6/2026, 10:22:49 AM