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溢れる気持ちとはこういうことか、と
あなたの驚愕した表情を眺めて私は思った

もう何年も前のことなのに
あの時のあなたの瞳の潤みを、
未だ手の届く距離に思い出すことが出来る

もう二度と
そんな距離にあなたがいることは無いのに

無意識に私の口からこぼれた言葉は
あなたと私の間に
一生涯消えない隔たりを作ってしまった

あなたに対する沢山の想いの中で
どうしてあの気持ちだけが溢れてしまったのか
私は未だに分からない



幾度の後悔を重ねて、
私は全てを諦めることにした

自分の背丈より高い向日葵に見下ろされて
この世の全てを愛していた幼少期を遠く見つめるような気持ちで、
あなたとの煌めくような日々を
大切に内にしまって
墓場まで持っていくと決めたのに

あなたはあの時の姿のまま、
また私の前に現れた

私は
あなたの目が三日月のように歪むのを見ながら
溢れる気持ちとはこういうことか、と思った

2/6/2023, 12:25:33 AM