オカルト
300字小説
呪いの土人形
そりゃもう、アンタのご先祖に酷い目に合わされたのでしょうね。思いっきり恨みを込めて、力を込めて『呪いの土人形』こと私を造ったのよ。
私も最初は馬鹿正直にアンタのご先祖達に憑いて、しっかり呪っていたけどね。とうの本人はずっと昔に亡くなって、今、三回目の生まれ変わりかな? この国にもいないわけ。
で、馬鹿らしくなって、でも込められた力はまだ有効だから、頑張って頑張って、呪いをなるべく無害なものに変えたの。
「で、年に一度『タンスの角に小指をぶつける』と『カメムシが服に入り込む』と『鳥の糞が頭にジャストミートする』と、どれかの呪いを選ぶことになったけど、どれが良い?」
「……どれも地味に嫌な呪いですね……」
お題「力を込めて」
10/7/2023, 11:45:25 AM