∮あいまいな空
毎日、丘の上にある家に帰る坂道を自転車で漕いでいく
いつもどおりの変わらない景色の中で
唯一姿を変えるもの
いつも空を見上げれば、365色のパレットが空を彩っている
ある時は朱々と染まる夕焼けだったり
ある時には快晴の星空が散りばめられていたり
何気なく見ている空を見て、ふと思ったことがある
『この空は、もう2度と見られない景色なんだ』
そう思うと無性に切なくなって、目一杯記憶に留めておこうとしてみるけど
3日も経てばその色は朧げで、あいまいだ
カメラ越しに遺したって、それは〝あの時〟の空なんかじゃなくて
だからいつも、そんなあいまいな空を眺めながら
変わらない景色だと思い込んで日々が過ぎていく
あなたは、昨夜の空の色を憶えていますか?
6/14/2024, 5:12:35 PM