NoName

Open App

寒さが身に沁みて来るなかで静かに酷く病んでいく。体以上に孤独が心をやませていく。深々と寒い日々を感じるなかであたたかそうな人々に憧れと羨ましさを感じて悲しみの中にいる。誰かと寒さを共感できれば少しは紛れるのだろうかと考えながら雪の降る静かな空を見上げている。穏やかで何処か寂しい。普通の顔をして孤独と一緒に、冷たい風から逃れるようにマフラーに顔を埋めて歩き出す。温かいものを食べよう、少しでも癒やされるように自分を甘やかして生きるためにそう思って、楽しそうに歩く家族連れの人々を見ないふりして何を食べようかを心の中で寄り添う孤独に問いかける。すれ違う、一人で歩く人の中にも孤独が寄り添っているのだろうかと考えながら目についた人が誰かと待ち合わせていたのが見えてため息が漏れた。

1/11/2024, 5:01:38 PM