名無し

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誰とも仲良くなれなくて、小さい小さい失敗とか自分や、人の発言が気になって中学に入学してから一週間程度で不登校になった。

自分の心の脆さとか、みんなとの驚くほど大きな差とか、これからどうするのかとかに対する不安の大きさとか、先生たちにかける迷惑の大きさに笑いそうになりながら、今日も息をして、部屋で特にやることもやる気力もなくぼーっとする。

窓の、カーテンの、網戸の外から聞こえてくるチャイムとか、みんなの話し声、笑い声とかに焦りを感じながら今日も私、ちゃんと学校に行けないほど壊れてるのかなって思いながら心の中の大きな不安と布団を武器に戦う。

そんな時に思い出すのは、休み始めてから一週間とかそれぐらい経ったときのこと。

学校に行った。

みんなのとの差が少しでも埋まるように、この心の脆さを治すために、重い体を起こして吐き気という名の胃の不快感を感じながら学校に行った。

胃からは何も出なかった。

教室に入るとあぁ、あいつきたんだなっていう特に興味をなさそうなクラスメイトの視線と、先生から大丈夫だったのかっていう安堵の視線を向けられた。

そこで一日過ごして感じたのは、たった一週間でできたみんなとの大きな差。

みんながとても大人びて見えて、苦しかった。

勉強がとても進んでて、先生とみんなが仲良くなってて、みんなが仲良くなってて、学校生活にみんなが慣れてるような気がして、みんなが二年生とか三年生くらいに見えた。

失われた、私が失った時間をやけにリアルに感じて、とてもとても笑ってしまった。



  

         失われた時間





5/14/2024, 2:00:53 AM