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空が橙色に染まる夕焼けを久しぶりに見たときの心の震えを私は忘れない。

その場所をやめたとき、暦では7月だった。

やめてしまったら、この先には何があるのだろうかと未来に対して不安しかなかった。

私の心細さを消して背中を押してくれたのは今までお世話になってきて出会って来た人々だった。

色々な人と出会ってきたが、皆、同じ悩みを抱えてきた人々は優しかった。

世間から見るときっと怖いと思われる存在だと知っていたが、他愛のない話をして、同じ体験を共有して、盛り上がるときはみんな笑顔になり、騒がしかった。

大切な居場所だった。

そこから、私は自分の船をそっと海に出した。

居場所がなくなった私は、新しい居場所を作り始めた。

その為、沢山の寄り道をして、その時々の居場所を見つけた。

そして、新しい出会いがあった。

「夢が同僚とご飯を食べに行くことだなんて、そんなの私がいつでも叶えてあげるわよ」
そう言ってくれて、一緒に食事に行ってくれた人の優しさを私は一生忘れない。

他者と分かり合えない孤独に苛まれ、苦しみ、もがいて生きてきても私のように不器用でも、生きることを諦めないでいたら隣に同じように悩んでいる人に出会い、ふと話している瞬間にお互いにぎこちない笑みが生まれるかもしれない。

空を見て一息ついて、秋にしては暑すぎる日々に辟易しながら、テーマの秋恋とはかけ離れたことを今思っている。

9/21/2024, 10:48:18 PM