青々と風に吹かれて揺れている一面の草原。
そこで麦わら帽子を被った少女が木の枝片手にてくてくと歩いていた。
だが急にひときわ強い風に吹かれて麦わら帽子が飛んでいく。
ポカンと口を開けた少女がふと弾けたように帽子を追いかける。
だけど風に乗った帽子はぐんぐんと空高く飛び、どこかへ消えてしまった。
少女は手を伸ばし悔しそうな顔をして草原へふて寝する。
夏草の香りに包まれ、いつしか少女は眠ってしまった。
少女の見る夢はどんなものだろう。
過去の夢か、現在の夢か、未来の夢か。
私には知る由もない。ただ、少女の顔は幸せそうだ。
ここで何があったかなど何も知らない無垢な顔。
今はまだ、それでいいのだろう。
8/28/2025, 1:57:51 PM