白い太陽が、天上で光り輝く。
穏やかな暖かさをも通り越す“暑さ”に目が眩み、薄くにじむ汗をぬぐった。
ひらひらと風に舞う花びらは自ずとその光景を減らし始め、同時にアスファルトの一部を覆い隠す様子すらも、とっくに珍しいものとなり始めているらしい。
ここ数年の「春」といえば、まさしく一瞬で駆け抜けていくばかりであり、こうも物足りなさを感じてしまうのも仕方がないだろう。
またもや早々に、あのクローゼット内の色味を整えなくてはならないのかと思えば、出番の頻度と偏り方に気が重たくなった。
四つ区切りの移り変わりと、わずかに二つだけ重なる静かな余韻。
そうやって合間に残る風景を楽しむ間もなく、今度は緑の季節がすぐそこまで見えてきている。
【桜散る】
4/17/2024, 2:55:47 PM