真昼の夢
昔、夢を紡いでそれを食べて凌いでおる男がいました。
自給自足で、夢を紡いで、それを食べて1日をやり過ごす。
それを一生やり続けていて不満は無かったものを、隣に大きい通りが出来て、他所からきたものがああだこうだと冷やかします。
夢を食ってら!
ゆめだゆめ!
夢なんて食うのはどうしようもない人間さ!
夢しか手に入れられなかったんだろう!
なるほど彼らは誰かからふんだくった獲物の数々、死んだ兎や鹿の生首を誇らしげに槍の先に吊るしています。
罵声の数々が限りなく続いた所で、男は立ち上がり無言で彼等の1人に近づき、
バリバリと、
バリバリと、
バリバリと、
それでおしまい
7/17/2025, 5:00:06 AM