まそむ

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僕は故郷を捨てる決意をした。
一切れのパンとナイフとランプをカバンに詰め込んで、いくばくかのお金を持って、愛するギターと一緒に高速バスに飛び乗った。

僕の故郷は田舎だ。
駅には人も居ないし、街灯だって少ない。冬には熊や猿が畑を荒らす。

こんなところで燻っていてたまるものか。都会へ行って、僕は夢を叶えるんだ。父母に否定された夢を。畑を継げとしか言わない両親に、僕の夢にかける情熱がホンモノだって見せつけるんだ。

僕の胸は、来たる苦難など知らずに、熱く熱くたぎっていた。

【遠くの街へ】

2/28/2026, 10:48:49 AM