『遠くの声』
真っ白な空間。
暑くも寒くもない。不思議な空間。
あれ、僕はさっきまで何をしてたんだっけ?
そう思いながらソファに腰掛ける。
...ソファなんてあったっけ。
まあ立っているよりいいか。
なんて呑気に考えつつ座りながらここまでのことを思い出そうとする。
誰かを待っているのか、今から何をしようとしていたのか...
悶々と考えていると、足音が聞こえてきた。
真っ黒なローブを羽織った髪から肌まで真っ白の少女が微笑みながら歩いて来た。
「やぁこんにちは。君も迷子かい?」
気さくに話しかけたが、少女は微笑んだまま。
なんだか不気味に感じるせいかこの場から逃げた方がいいと頭の中で警報が鳴り響く。
逃げよう。でもどこに...?
一面真っ白の空間。逃げ場を探していると、どこからか声がする。
「ねえ!起きて!」
とにかく声のする方へ走り出した。
「...!先生!患者さんが目を覚ましました!!」
語り部シルヴァ
4/16/2025, 11:08:57 AM