海喑

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1、前世
私は実の2人の兄に出会った。そして私の両親は心中した。
私はそれにショックだったけど兄たちがフォローしてくれたおかげで気に病むことが少なかった。
それから1年が経った。私は兄との生活に慣れてきたある日の事だった。
学校からの帰り道での事。一人で歩いていたら急に着信音が鳴って、何事だろうと思って出てみたら
「海暗〜、荷物多いからちょっと手伝いに来てくんね〜?」という長男でシスコンの良夜の声が聞こえた。
案の定声が大きい。携帯から耳を遠ざけつつ、
「どこいんの〜」と聞く。「いつもんとこ!来て!よろ」と言ったと思ったら電話が切れた。
荷物どうしようかなと思っていると女子の黄色い声が聞こえてくる。
銀兎だ。もう一人の兄で
学校や外では猫被って人気キャラを演じているが私や良夜の前ではデンレデレのよく分かんない奴だ。
遺伝と言うやつだろうか。私と銀兎は薔薇も百合も大好きなんだ。
そんな銀兎がこっちに来るのに賭けて私はリュックを下ろす。
「わっ、可愛い同士がいると思ったら荷物持たされんのかよぉ後で本貸せよ〜」と言いつつもリュックを持ってくれる。うちの兄はツンデレ属性までも兼ね備えているのか。最強かよ
と思いつつもその場所に全力疾走で向かう。

着いた。上がった息を整えつつ、良夜の所へ向かっている時の事だった。190超の男性に出逢った。
この人を見た瞬間私は何かを思い出した。
嗚呼、それは前世だ。
一年後私はー前世という悲惨な過去を思い出す。

6/25/2023, 6:23:56 AM