たーくん。

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カップルが多く歩いている商店街。
そういえば、今日はクリスマスか。
カップルが手を繋いで歩いているのを見て、去年別れた彼女のことを思い出す。
去年のクリスマスに、彼女と手を繋いで歩いていた。
人気が少なくなった所で、彼女は急に手を離し、真剣な表情で俺にこう言った。
「あのね、私……好きな人が出来たの。だから、別れてほしいの」
まさかクリスマスに言われるとは思わなくて、しばらく思考停止してしまう。
……彼女は可愛いし、俺とは不釣り合いだったのだろう。
まぁ、付き合えたことが奇跡だったし。
もっと、俺が彼女に相応しい男だったら……。
「分かった。少し寂しくなるけど、君の幸せを後押しするよ」
「あなたって……ほんと優しいんだね。ありがと」
最後に見た彼女の表情は、悲しそうな表情だった。
あれから一年。
彼女は、新しい彼氏と幸せに過ごしているだろうか?
連絡して聞いてもいいが、そんな勇気はない。
……彼女のことを思い出していると、手が急に冷えて、カップルを見るのが辛くなってきた。
早足でさっさと商店街を抜けて……あっ。
「あっ」
別れた彼女が……前方から一人で歩いてきた。
目が合い、お互い立ち止まる。
しばらく重い沈黙が続き、俺から口を開く。
「……やぁ、久しぶり」
「うん、久しぶりだね」
俺が声をかけると、彼女は笑顔になる。
多分、俺も、笑顔になっていたと思う。

12/24/2025, 10:13:07 PM