だいぶ少年らしくはなったと言っても、まだ13歳。
成長しきっていない僕の手は血で塗れていた。
必死に掴んで走ったから気づかなかったけど、華奢な君の手も汚れた血で染まっていた。
土手沿いの薮の中で、震えながら必死に君を抱きしめていた。僕らは声を押し殺して泣いた。
君から相談を受けていた僕は、夜にノックもせず君の家に入り込んだ。
仕事に出ていてお母さんはいない。
君の部屋のドアが細く開いていて、煌々と電気が照らしている下で、セーラー服姿のままで君は養父に覆い被さられていた。
怒りで脳が熱くなるほど僕は冷静だった。静かに近づき思いっきり包丁を振りかざし、養父の右の背中に突き刺した。何度も何度も突き刺した。
僕らは汚れた血で染まった手を繋ぎ、交番へ向かった。
題:世界の終わりに君と
6/7/2024, 5:22:36 PM