"誇らしさ"
住宅街を歩いていると、ふと公園の花壇に咲く花々が目に止まり花壇の傍に歩み寄って、そよ風に揺れる花々を見る。
「今年も綺麗に咲いたな」
と、花達に優しく語りかける様に独り言ちる。
花は凄い。どんな場所にだって根付き茎を天に伸ばし蕾を膨らませ、様々な形、大きさ、色の花を咲かせる。自身の美しさや可憐さに揺るがず懸命に咲き誇る花達は本当に凄いし、ちょっぴり羨ましくもある。人間は皆、絶対的な自信なんて持っていない(例外は少なからずいるが)。"猿も木から落ちる"ということわざがある様に、どんな達人だって練習を怠れば素人同然になる。だから慢心し油断するのはどんな世界だっていけない事だ。けれど…
もし俺が、自身の強さに揺るぎない自信を持ったなら、この花達の様に気高さと誇らしさを見に纏えるのなら…。何も無い俺でも、未来を変えられるだろうか?
「…ハッ、なぁんてな。」
訳の分からない事を考えた自分に鼻で笑いながら立ち上がり、公園を出て再び住宅街を歩き出した。
8/16/2023, 10:34:56 AM