「雪を待つ」
今年も残すところ後わずか、暖冬のせいか厳しい寒さも無く毎日が慌ただしく過ぎ去っていく。
この季節には必ずと言っていい程降り積もる雪も今年はまだ積もる事もないそうで、実家からは今年こそは年末年始は帰省せよと連絡までくる次第だ。
雪を見るとあの頃を思い出し
故郷に帰ると今はもう居ない貴女の影を探してしまう。
帰らない日々、還らない人
私はそれに耐えきれず都会に出て来たというのに。
そんなことを考えながら帰り道、ふと見上げると今年も降ってきた。
今年はだいぶとお寝坊さんだったね。
待ってたよ、ゆき…そうポツリと呟き涙が溢れた。
今年も仕事が忙しくて帰れそうに無いと連絡を入れ、俯きながら帰宅する。
12/16/2023, 3:47:24 AM