手紙を開くと、自分の字だった。
しかも、ちょっと恥ずかしいタイプの自分の字。
やたら丸くて、やたら丁寧で、やたらバランス悪いやつ。
たぶん中学2年のときに書いた「未来の自分へ」。
タイムカプセルとかじゃなくて、
ただ、たまたま机の奥から出てきたやつ。
「ちゃんと夢叶えてますか?」って書いてあった。
……うん、まあ、答えにくいよね。
まず、どの夢のこと?ってなるし、
あの時って「漫画家か美容師かアナウンサーか迷ってる」とか言ってた時期だし。
ひとつもその道にいってないって、言うべきか?
「親にはちゃんと感謝してますか?」とも書いてあった。
……それはちょっとギクッとした。
たぶん今のほうが、反抗期入ってる。逆に。
あと、「大人になったら、きっと毎日楽しいよね!」って書いてある。
いや…いやいやいや。
未来に幻想持ちすぎ。
毎日じゃない。月に2回くらいです。
あと、仕事終わりの冷凍うどんに感動してる時点で、
あんまり“キラキラ”してない未来かもよ?
でも最後に、
「未来の自分、大好きです」って書いてあった。
……なんか、それだけで許したくなるからずるい。
バカだなあ、って笑えるくらいの素直さって、
もう今の自分には残ってないんだよなあ。
ていうか、なんでこれ、残してたんだろう。
自分で書いたくせに、
自分に一番効いてくるの、ほんとやめてほしい。
手紙を開くと
5/5/2025, 10:36:25 AM