1年間を振り返る
猫のトラ吉の調子が良くない。もう10才のおじいちゃん猫だから仕方がないのかもしれないが、少しでも長く一緒にいたい。
春先から目が悪くなってきたのか、住み慣れたリビングの壁にぶつかることが増えていた。
夏の終わりには歩くことが少なくなり、猫ベッドにいることが多かった。トイレも失敗するためオムツをつけていた。
秋には食事を食べなくなり、動物病院の先生からあまり時間がないかもしれないと言われた。
トラ吉は父の職場にいた子猫を父が拾ってきた。家に来た時はまだ産まれたばかりで、家族が交代で昼も夜もミルクをあげ、トイレのお世話もした。
今も交代で年老いたトラ吉のお世話をしているが、あの時のような高揚感はなく、静かな時間を一緒に過ごしたいと思っいる。
冬の日にトラ吉は、私の腕の中で亡くなった。大往生だったと父は言う。最後の時間が一緒に過ごせて良かったと母は言う。
私は涙が止まらなかった。寂しかった。
トラ吉に会いたい。
スマホの中にトラ吉の動画や写真が残っている。もうスマホの中だけでしか会うことも声を聞くこともできなくなった。それでもトラ吉に会えるのは嬉しい。
この1年は私たち家族とトラ吉にとっては濃厚な1年になった。
今はトラ吉ロスだけど、いつか自分たちのスマホを見せ合って、両親とトラ吉の話ができるといいなあ。
トラ吉ご苦労さま。ありがとう。
12/30/2024, 10:21:06 PM