ほろ

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「ここじゃないどこかに行こうよ」
「なぜ?」
「息がしづらいから」
「そうかな?」
窓のヘリに足を引っ掛けた真っ白な少女が、僕に手を伸ばしている。どこかで聞いた事のあるようなやり取りを、僕らはいつから繰り返しているんだろう。
「君は逃げたくないの?」
「今は別に」
「そうなんだ」
つまんないの。
少女は僕に背中を向けて、窓から飛び降りた。

目が覚める。僕は自分の部屋の勉強机で眠っていたらしい。
「変な夢」
あれは、僕の願望なのだろうか。
どこかに逃げてしまいたいのだろうか。心のどこかで、あの少女と一緒にどこかへ。

2/27/2024, 1:04:24 PM