ちひろ

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刹那。光が目の前を閃いた。ピカッと輝いたと思ったら、大きな余韻を残して、それは消えていった。闇は、僕のまわりをまたぐるりと囲んで、何事もなかったように振る舞っている。しかし僕は、網膜に焼きついたその一刹那を何度も反芻しながら、一歩前に進むことにした。暗がりの抑止を振りきって、瞼の裏の明るさを信じて、停滞を克服しようとした。

4/29/2024, 7:54:26 AM